Club100第182回定例会(ゲスト:松屋 代表取締役社長執行役員[役職は講演当時、現在は取締役会長 兼 取締役会議長] 秋田正紀氏)
2023年2月16日(木)、Club100第182回定例会を開催いたしました。
ゲストには、2019年11月3日に創業150周年を迎えられた松屋 代表取締役社長執行役員(役職は講演当時、現在は取締役会長 兼 取締役会議長)の秋田正紀氏をお迎えし、『創業150年を超える老舗百貨店「デザインの松屋」 ~激動の時代においてもお客さまに愛されつづける秘訣とは~』をテーマに、お客さまに喜んでもらうことを原点として、自らの独自性を高め、他店と差別化を図られている松屋の歴史と現在、そして未来の展望について、ご講演頂きました。
松屋は1869年に創業し、現在は銀座と浅草に店舗を構える老舗百貨店として多くのお客さまから親しまれてきました。百貨店は時代に合わせて変革し、存続し続ける稀有な業界であると秋田氏は述べます。松屋グループは、百貨店を中心事業に「生活文化創造集団」として、レストランなど食産業に関する事業や不動産賃貸業、さらにはファッション専門学校という衣服のアカデミーに関する事業を展開しています。
現在、松屋は銀座を代表する百貨店として多くのお客さまに愛されています。松屋が銀座に進出したのは、関東大震災の2年後である1925年でした。銀座は街そのものがブランドであり、松屋は銀座に寄り添い、街と共に文化を創生してきました。たとえば、今でこそメインの銀座通りにラグジュアリーブランドが立ち並ぶ光景は一般的ですが、2001年の松屋銀座のリニューアルはその先駆けでした。その後、ラグジュアリーブランドは並木通りだけではなく、銀座通りにも店舗を構えるようになり、銀座という街がより一層賑わう契機の一つとなりました。
また、松屋は60年以上にわたって、デザイナー、建築家、評論家が参加する日本デザインコミッティーと共に優れたデザインを普及・啓蒙する活動を支えてきました。創業 150 周年に際しては「デザインとは、気遣いです。」というキーワードを掲げ、モノの造形だけでなく、便利に、心地よく、豊かに日々を過ごしていただくための“気遣い”こそがデザインであると定義し、あらゆる場面で「デザインの松屋」を発揮していきたいと考え実践してきました。
さらに、松屋は文化と経済を繋いでこれからの世の中や生活に新しい可能性を見出していく取り組みもしています。「地域共創プロジェクト」では、徳島県の藍染や青森県のねぶたなど、日本各地の伝統工芸や職人の技を松屋銀座の店舗装飾を通じてPRを行っています。
秋田氏は「お客さまに喜んでもらうこと、楽しんでもらうことを原点としてきました」と強調されました。「デザインの松屋」という確固たるアイデンティティを持ちながらも、時代に合わせてお客さまの期待に沿った価値を提供し続ける松屋。
後半にはクオンタムリープ株式会社 代表取締役副会長の橋谷がChief Navigatorを務め、ご参加頂いた会員の皆様とパネルディスカッションを実施しました。
ご参加いただきました会員の皆様には、深く感謝いたします。
最後に、ご登壇頂きました秋田正紀様には厚く御礼申し上げます。