Club100第198回定例会(ゲスト:帝人株式会社 シニア・アドバイザー 鈴木純氏)
2024年6月20日(木)、Club100第198回定例会を開催いたしました。
ゲストに帝⼈株式会社で代表取締役社長執行役員CEO、取締役会長を歴任された鈴⽊純様(現 帝人(株)シニア・アドバイザー)をお迎えし、『イノベーション創出のために~帝人グループの事業変革の歩み~』をテーマにマテリアル事業、ヘルスケア事業、IT事業という複数の異なる事業領域を展開する帝人の事業変革の歩みとその教訓、さらにイノベーションの創出とその取り組みついてご講演頂きました。
1918年に日本で初めてレーヨンの商業生産を開始した帝人は、その後1971年にアラミド繊維、1999年には炭素繊維の事業と様々な新規事業を展開しました。さらにこれらのマテリアル事業に加えて、1973年からヘルスケア事業も手掛けており、現在では機能性食品の事業にも参入しています。帝人はこの他にも化成品、IT事業など幅広い事業を生み出してきました。こうした事業変革、創生の中で、事業をゼロから作り上げることは容易ではなく、新規事業は既存事業の技術・人財・ノウハウなどの社会基盤を継承していくことによって発展、成長を遂げるのだと鈴木氏は指摘します。
現代社会の変化は過去に比べて一瞬であり、製品・サービスのコモディティ化の速度も加速しています。そういった時代の変化に適応できない企業は廃れてしまうため、企業が成長を続けるには絶えず社会のニーズに合わせたイノベーションを創出することが必要であるとの見解を鈴木氏は示しています。すなわち今後生き残る企業は既存事業の成長、深化に加えて、新規事業の探索、創生が必要です。ただ企業にとってイノベーションを創出していくことは容易ではありません。その達成のためには、根底にイノベーティブな企業文化を築き、それを基礎にして、働き方改革、さらには多様性を受け入れ、新たな視点を取り入れることが重要になってきます。そうして初めて現代の急速な変化に適応できる企業へと成長していくことができます。
ご参加いただきました会員の皆様には、深く感謝いたします。
最後に、ご登壇いただきました鈴木 純様には、厚く御礼申しあげます。